水槽のメンテナンス

水槽のメンテナンス

アクアリウムを適切に維持していきたいけれど、どの様に維持していけば良いのか、アクアリウムの基本を知り、快適に生物が生活していける環境作りをしていきましょう。
水槽飼育をしていくと、次第に水槽が汚れてきた、生き物の調子が悪くなってしまった等、色々変化に気が付く事があるのではないでしょうか。飼育している水槽の環境状態は正常か、それとも、悪化しているのか、しっかりと確認しましょう。
 

水槽が汚れる原因と対処方

水槽が汚れてきたけれど、どうして?
●水を入れ替える時に、一度に大量の水を入れ替えしてしまった!
水槽の白い濁りについては、水槽内で魚の糞や餌の食べ残し、水草の枯れ葉等からアンモニア等の有害物質が発生してしまいます。アンモニアは強力な毒性を持っているので、水槽内にこれが溜まっていくと、魚が生きられない環境となってしまいます。アンモニアを無害化するバクテリアが硝化の働きをします。ろ過装置にはバクテリアが沢山住み着いているので、2、3日程で透明感のある飼育水になるでしょう。
水の入れ替えポイントをおさえる事が大事です。
一般的に「水を替える」というと、全部入れ替えなければならないと思ってしまいますが、熱帯魚の場合は、1~2週間に一度3分の1程度の水替えをします。全て水を入れ替えない理由は、水槽の中には水を綺麗にしてくれる好気性細菌(バクテリア)が自然に繁殖してきくのです。水の汚れの原因となる物質(アンモニア、硝酸等)を魚に無害な物質に変えてくれる働きをしています。水を全部換えてしまうと、この大事な働きをしているバクテリアが殆どいなくなってしまう状態になります。ろ過槽や床底の中にはバクテリアは残っていますが、全体の量としては水槽のろ過をするのに十分な量のバクテリアがいなくなってしまうのです。バクテリアがいなくなった水は、魚にとって住みにくい水環境となってしまい、生息していく事が出来ません。住み易い水環境を守る為には、必ず水替えの量は3分の1程度にしましう。

●ろ過装置のろ材掃除を綺麗にし過ぎてしまった!
ろ過装置を綺麗に掃除し過ぎてしまい、フィルター内の好気性細菌(バクテリアの「硝化」活動には酸素が必要で、酸素を必要とするバクテリアの事)が一時的に減少してしまっている状態です。硝化をしてくれるバクテリアが繁殖する迄は水槽の白濁りは続きます。しかし、水槽内で硝化活動を行ってくれるバクテリアが全ていなくなった訳ではありません。バクテリアは空気中を漂っているホコリやゴミの中にいたり、魚や水草に付着していたりするので、ばらくすれば、水槽に水を入れておけば自然に水中で発生し、ろ過装置にも再びバクテリアが着生していきます。それまでの期間は白濁りが取れないかもしれません。
 
ろ過装置の掃除の目安を押さえましょう。
[ろ過装置の状態を知る]
・ろ過装置を動かしたり、電源を入れる時・切る時に、汚れが排水パイプから出てくる事がある
・ろ過装置から異音が鳴るようになった
・水が白く濁ってきた
・ろ過装置から排出される水量の減少
・ろ過装置に繋がっているホースが汚れてきた
この様な変化が見られたら、掃除のサインと覚えておくと良いでしょう。
[掃除の頻度]
・清掃の間隔は10日~数ヶ月 
装置や飼育している魚、清掃状況等によって違ってきますので、適した時期を把握しておきましょう。
 
[ろ過装置の種類]
・スポンジフィルターの清掃
・底面ろ過装置の清掃
・外掛式フィルターの清掃
・外部式ろ過装置の清掃方法
・ホースの清掃
ろ過装置にも、色々な種類の物があるので、適切な掃除方法で掃除を行いましょう。

●バクテリアが生息している住処に汚れが溜まり過ぎてしまった!
水槽内を綺麗にしてくれるろ過バクテリアが着生している所に汚れが沢山溜まり過ぎてしまうと酸素不足になってしまいます。多くの魚は、水に溶け込んでいる酸素をエラで取り込んで呼吸をしていますが、バクテリアも魚と同時に水に溶け込んでいる酸素をエネルギー源として活動をしています。従って、水槽中の酸素が減少してしまうとこれらの生体が水槽内で酸欠症状が発生し、酸素不足等によって白濁りを引き起こします。
掃除をする際の注意点を把握しておきましょう。
[掃除を分けて行う]
ろ過装置や底床等の掃除を一度に行ってしまうと、一気にバクテリアが減少してしまうので、ろ過装置を掃除したら、3日以上おいてから底床の掃除をする等し、水槽内のバクテリアが一気に減少しない様に注意しましょう。
 
●水温上昇によってバクテリアの酸素消費が過度になり、水槽内で酸素不足が発生!
水温が上昇すると好気性バクテリアの活動が活発になります。その活動によって好気性バクテリアが酸素をより多く消費する様になり、水槽中の酸素量が足りなくなってきます。そうなってしまと、様々なバクテリアが死滅していき水槽が白く濁ってきます。それを防止する為には、水槽の水温を適切な温度に下げ、不足してしまっている酸素を補う事が必要です。
また、水槽で生き物を飼育するにあたって適温というものがあります。一般的に適切な水温は26℃位と言われています。水温30℃を超えて何も対策をとらないでいると、最悪、飼育していた生き物が死んでしまう原因にもなりかねません。基本、熱帯魚が耐えられる水温は33℃程度、水槽の観賞用・水質浄化等に使用される水草は30℃程度、淡水・海水エビ類は28℃程度が限界です。それ以上の水温になってしまうと、熱帯魚やエビが死んでしまう、水草も溶けるように枯れていってしまうので、水温も気を付けましょう。

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