2018年05月14日 17時59分
水槽内の酸素不足が何故いけないのか?
水槽の中で生息している生き物にとって水に溶け込む酸素というのは、生体の健康状態だけでなく、水槽内の環境を安定させる事に必要不可欠なものです。熱帯魚やエビ類達は呼吸運動を行いながら酸素を摂取して生きてます。同様に生体から出る排泄物を硝化する働きを持つ好気性バクテリアも酸素が必要な生物です。上手に水槽で生き物を飼育していくポイントとして、溶存酸素量(水中に溶け込んでいる
酸素量の事)に気を付ける事はとても大事な要素の一つになります。飼育している生き物に元気が無い原因は、水の汚れや水質の変化と決め付けてしまわない様にしましょう。もしかしたら、水槽内の溶存酸素量が不足していることによって酸欠になり、生き物の調子が悪いのかもしれません。
酸素を供給する方法と種類
◎エアレーション
エアレーションとは、魚を飼う池や
水槽等で
水中に
空気を溶かし込む事を言います。水槽内の水面を撹拌させる事で、水が混ざり合って溶け込む酸素量を自然に増やします。その際に対流が出来て、水の流体中に溶存している酸素濃度の高い水を水槽内に拡散させる事が出来ます。
◎酸素添加パイプ
市販されている添加用パイプ(拡散筒)に酸素を溜め込み供給していく道具です。酸素が溶け込むスピードは速くはないのですが、水槽の水面を穏やかなままに保ちながら酸素を供給していく事が可能です。エアレーションのエアポンプの音が気になる方や放水音が苦手な方にはお勧めです。
◎水面より上から放水する
水面に落とし込む滝流水やシャワーパイプ等、フィルターの放水を水面より上にする事で、水面の水が混ざり合うが撹拌スピードが速くなります。
◎酸素を出す石(過酸化カルシウム)
過酸化カルシウムは、水に反応すると水酸化カルシウムと酸素を発生させます。この働きによって酸素を水槽内に作り出し供給します。水中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムになり、炭酸カルシウムに毒性はなく問題ありませんが、水槽水はアルカリ性に傾きます。デメリットとして、入れ過ぎると水槽の水が濁ったり、他の酸素添加に比べて酸素供給が少ない事が挙げられます。
快適なアクアリウム保つ為には「酸素」がとても大切であると言う事がお分かり頂けたでしょうか。酸素量をしっかり安定させる為にも、水槽のメンテナンスは欠かす事は出来ません。メンテナンスを過剰にする必要はありませんが、適度なメンテナンスは必要不可欠です。私達人間と同様に水槽で生活をしている生物達も酸素が無いと生きていく事が出来ません。メンテナンスを億劫だと思わずしっかりメンテナンスをしていく事で、生物達も長く生存する事が出来ます。逆に何も水槽のお手入れをせずにいてしまうと、飼育している生物達にとって水槽の中が大変住み辛い環境に変化してしまいます。折角アクアリウムを始てもそれでは台無しです。水槽で生活している生物にとっても、それを飼育している私達いとっても、住んでいて眺めていて心地良い・綺麗・素敵と思える様なアクアリウム作りをしていきましょう。